介護現場において、一人ひとりの高齢者の希望に応えて最良のサービスを提供するためには、日々の仕事の中で直接高齢者に対応する介護職がホスピタリティマナーを身に着けることも大事になります。たとえば、民間の介護付有料老人ホームをはじめとする施設では、新人から経験者まですべての介護職員を対象としたホスピタリティマナーの研修を導入しているところもあります。

ホスピタリティマナーを習得するには、高齢の利用者に対する適切な言葉遣いや声掛け、傾聴といった幅広い事項をマスターしなければなりません。これらは思いやりの気持ちがあれば自然と身に着けられるものですが、働きながらホスピタリティマナーを完璧に身に着けていきたい人は、就職活動中の介護職の評判が良い施設の取り組みについてよく理解することが大事になります。介護職の研修を重視している施設の中には、個々の介護職がプロとして自覚をもって働けるよう、マナー講師や介護福祉士の有資格者など外部の専門家を招いてホスピタリティマナーに関する勉強会を開いているところもあります。

ホスピタリティマナーで特に重視すべき点については、勤め先の事業形態や利用者の年齢層、健康状態などによって違いがあります。なお、仕事上で認知症や障がいがある高齢者に接する機会が多い人は、正しいホスピタリティマナーを学ぶために、職場の中で研修を受けるだけでなく、有資格者の先輩職員にアドバイスを聞いたり、仕事の休みの人を利用して自主的に研修会に参加をしたりすることも有効になります。