介護の仕事に大事な適性やスキルはいくつかあります。例えば介護の仕事は、必ず人とふれあう仕事になりますので、コミュニケーションをとることが好きな人や得意な人は、この仕事に向いていると言えます。利用される方やその家族は色々な人がいます。なかには些細なことから苦情を言ってきたり、行動拒否をして困らせる人などもいるでしょう。しかし根本には「誰かに手伝ってもらいたい」「誰かに助けてもらいたい」といった理由で、介護のお世話になる人も多いです。このような理由を念頭に置き、どんな時も笑顔で、思いやりのある言葉使いや接し方が、介護の仕事では大事になります。

思いやりのある仕事というのは、特別なスキルや資格がなくても、まず相手の話に耳を傾けることが大事です。「何に困っているのか」「どういう手助けを求めているのか」を丁寧に聞き取ることから始まります。中にはぶっきらぼうだったり、認知症で上手く意思が伝えられない人もいます。こんな時に、どんな介助を求めているのかなど、相手の立場に立って想像力を活かして、柔軟に思考することも立派な思いやりのある仕事になります。

一方で、相手に寄り添いながらも、冷静な視点を持つことも大事です。高齢者の中には、急な体調の変化があったり、思いもよらない行動をとってしまう方もいます。いざという時にとっさに体を動かせるように、冷静な視点で相手を観察することも思いやりのある仕事と言えます。もちろん体が動くように、肉体をケアしておくことも重要です。